プラチナバイオは「ゲノム編集とデジタル技術で未来を拓く」をビジョンに、「共創」「社会実装」「バイオ×デジタル」の3つのキーワードを掲げる、広島大学発のベンチャーだ。同社は、広島大学ゲノム編集イノベーションセンターの山本 卓教授らの国産ゲノム編集技術「PlatinumTALEN」を核にして設立され、国産ゲノム編集技術の事業化を推進、モデル動物・細胞作製のサービス提供による創薬事業の支援などを行っている。
「ゲノム編集によるさまざまな課題解決をいち早く多くの人にお届けする、いわゆる社会実装を、企業とも連携しながら進めています」と話すのは、プラチナバイオ株式会社 代表取締役CEOの奥原 啓輔氏。奥原氏はJST(国立研究開発法人科学技術振興機構)、内閣官房知的財産戦略推進事務局、東広島市を経て、2016年には広島大学の山本教授と「ゲノム編集」産学共創コンソーシアム(OPERA)を構築、2019年にはともにプラチナバイオを創業した。
プラチナバイオは2021年3月、凸版印刷、広島大学と共同開発した「Genome Editing Cloud®」のβ版を発表。Genome Editing Cloud®は、AIを活用し、ゲノム編集のデータ処理を簡易化する、ゲノム編集支援のためのオープンプラットフォームだ。
「ゲノム編集はさまざまな分野の問題を解決できる可能性がある一方、膨大なデータを解析しなければならなく、それが研究者の大きな負担になっています。そこで、プログラミング言語を意識せずゲノム編集のデータ解析が行えるプラットフォームが必要だと考えました」(奥原氏)。