一般財団法人化学物質評価研究機構(CERI)

核酸医薬品のオフターゲット効果の評価にGGGenomeパッケージ版を活用安全で高速、検索漏れのないin silico解析を実現
一般財団法人化学物質評価研究機構では、「核酸医薬品のオフターゲット効果の評価」の受託試験立ち上げにあたり、その評価メニューの一つであるin silico解析に、レトリバの提供する「GGGenomeパッケージ版」を導入。オフラインで利用できるため、顧客からの塩基配列を含む委託情報のセキュリティーを担保し、高速で検索漏れのないin silico解析の一端を担っている。

GGGenomeパッケージ版導入のポイント

国内初の「核酸医薬品のオフターゲット効果の評価」事業を展開

 一般財団法人化学物質評価研究機構(Chemicals Evaluation and Research Institute, Japan、略称CERI)は、化学物質等に関する試験や検査、評価、研究・開発などを行うことにより、化学物質等の品質の向上、および安全性の確保並びに環境保全・衛生保持を図り、それにより産業の健全な発展と国民生活の向上に寄与することを目的として活動している機関だ。 

 「当機構は公正で中立な第三者機関であることが大きな特徴です。お客様からの委託を受け、優れた技術陣が化学物質の評価に関する全般的な試験、検査、研究、調査を実施しています」と語るのは、一般財団法人化学物質評価研究機構 安全性評価技術研究所 研究第一部研究第一課 副長の石田 和也氏。 

 CERIでは、中立公正な立場で化学物質と化学製品の評価および管理に関するさまざまなソリューションを提供している。その一つに医薬品(低分子およびバイオ医薬品)・医薬品不純物・医療機器の試験・評価があり、微生物試験や医用材料の評価、各種安全性試験などさまざまな試験・評価を行っている。「核酸医薬品のオフターゲット効果の評価」はこの一つで、製薬企業からの委託を受ける形となる。なお、核酸医薬品のオフターゲット効果の評価をメニューとして提供し始めたのは、国内のCRO(医薬品開発業務受託機関)としてはCERIが最初だという。 

データの安全性、検索しやすさを重視してGGGenomeパッケージ版を採用

 核酸医薬品は新規モダリティとして、大きな注目を集めている。市場も拡大傾向で、2020年には日本企業初となる核酸医薬品が市場に登場している。一般財団法人化学物質評価研究機構 安全性評価技術研究所 研究第一部 研究第一課の城島 光司氏は「国内の製薬企業でも核酸医薬品の開発が盛んになっていますので、これからさらに増えていくのではないかと思います」と話す。 
 核酸医薬品には一般の医薬品にはない特有の作用・影響があり、とくに標的外遺伝子への直接的影響(オフターゲット効果)を評価し、安全性を担保する必要がある。CERIではこの核酸医薬品のオフターゲット効果の評価を、ヒトのゲノムDNAやRNA情報を用いたin silico解析、ヒト細胞を用いたin vitroマイクロアレイ解析などを用いて実施している。 
 核酸医薬品のオフターゲット効果の評価事業を立ち上げるにあたって、in silico解析のためのツールを検討していたCERIは、核酸医薬学会の年会でレトリバが高速塩基配列検索ソフトウェア「GGGenome(ゲゲゲノム)パッケージ版」を提供することを聞き、採用することを決めた。GGGenomeパッケージ版は、大学共同利用機関法人情報・システム研究機構 データサイエンス共同利用基盤施設 ライフサイエンス統合データベースセンター(以下、DBCLS)の提供する「GGGenomeウェブ版」と同様の塩基配列検索を自社内のコンピュータ上で実施することができるパッケージソリューションだ。 
 核酸医薬品のオフターゲット効果を評価するためのin silico解析では、検索データベースの選択、検索アルゴリズムの選択を実施するが、これにGGGenomeパッケージ版を活用している。 
 「製薬会社様から依頼をいただくときに、秘密情報である開発品の情報をオンラインに流したくないという要望がありますので、クローズな環境で検索ができるGGGenomeパッケージ版は必須といえます。さまざまなツールの情報を集める中で、GGGenomeウェブ版の開発者である、DBCLSの内藤雄樹特任助教からもお話を聞き、核酸医薬品のような短い配列の検索にはGGGenomeが合っていることなど、参考となるお話をいろいろとお伺いし、採用を決めました」(石田氏)。 
 GGGenomeパッケージ版は製品本体を任意の端末にUSB接続して、その接続端末上で使用することができるため、データがオンラインに流れることはなく、クエリ塩基配列の秘匿性は高い。 
 オフラインで利用できることに加え、検索のしやすさもあると城島氏。「他のツールと比較して簡単に網羅的な検索ができます」とGGGenomeパッケージ版を高く評価する。 

今後も核酸医薬品のオフターゲット効果の評価事業を拡大

 CERIは、レトリバと内藤特任助教と共にデータベースの更新などGGGenomeパッケージ版の確認・検証を行った上で正式に導入。導入フェーズでは、不明な点などをレトリバが支援しながら問題なく導入を完了し、核酸医薬品のオフターゲット効果の評価事業は正式にスタートした。なおCERIでは、顧客からのニーズに広く対応するため、オプションでデータベースを追加している。 
 事業開始以降は顧客も年々増加していることもあり、現在は評価全般の効率化・スピード化を推し進めている。「事前に用意した遺伝子リストとGGGenomeの検索結果を照合してヒットしたものをハイライト表示する着目遺伝子ハイライト表示機能や、複数の配列をまとめて検索できる検索支援スクリプト(Bioret tool)などをうまく活用すれば、大幅な効率化・スピード化が期待できます」と城島氏は話す。 
 CERIではGGGenomeパッケージ版を2020年版に続き、2021年度版も採用。2022年版についても継続を予定している。そして今後も、核酸医薬品のオフターゲット効果の評価事業を拡大していくという。石田氏は、「オフターゲット効果の受託試験は、これからニーズが高くなっていくと考えられます。現時点は核酸医薬品にいくつかの種類がある中で、アンチセンスオリゴとsiRNAにフォーカスしていますが、今後はmiRNAについてもさらに知見を深めつつ展開させていきたいと思います」と展望を語った。 

インタビュー

大学共同利用機関法人 情報・システム研究機構データサイエンス共同利用基盤施設ライフサイエンス統合データベースセンター(DBCLS)
GGGenomeの開発者である内藤雄樹特任助教へ開発の背景や思い、GGGenome によってライフサイエンス研究の未来がどうなるのかをインタビューいたしました。

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